名古屋で若冲 その3
昼からはジョー・プライスさんの講演会「なぜ、どのように江戸絵画に魅了されていったのか」に参加しました。事前予約制でしたが、会場は端の方まで席を作って満員です。登場した方は、やはり会場で見かけたおじさまでした。
前半は、プライスさんが江戸絵画のコレクターになるきっかけや出来事などをまとめたビデオ上映、後半は、美術館の人が質問をしてプライスさんが答えていく形式の講演会。
この展覧会のキモが熱く語られました。
「日本美術を鑑賞する際、光の果たす役割は非常に重要である。」
今回の展示は単なるお金持ちさんのコレクション披露ではないのです。ここのところをもっとチラシにもアピールして欲しかったなあ。京都でも展覧会があったのですが、ただの流行にのった若冲展かと思っていたので、すっかり忘れて逃していました。日経ネット関西版の記事の写真を見て、今かなり悔やんでいます。京都での展示が一番プライスさんの要望にかなった展示方法だったのです。
美術館や博物館は、作品を展示する以外に、作品を保管するお役目もあります。この二つを両立させるにはガラスケースに入れての展示が一番都合がよいのですが、日本画は元々、襖絵なら部屋の建具の一部だったり、掛け軸なら床の間に吊すものだったり、屏風は部屋の一角に立てて、とすぐ目の前で楽しむ物です。また、当時は電灯もなく、自然光かロウソクの光しかないので、その明るさを再現して絵を見るのが絵にとって最も良い状態で観賞することになります。
しかし、たくさんの人が行き交う会場で、そのようにするとホコリや虫などが入るので、作品保護が困難になってきます。しかし、プライスさんは「ガラスケース無し」の展示が一番の要望。しかも2ヶ月の長期にわたっての展示。個人コレクションでなければ、できない展示方法です。それ故、この展覧会は「画期的」なのです。今まで日本画に興味がなかった人も、ぜひ見に行って欲しいです。日本画に対する意識が変わると思います。
ずいぶん昔にどこかの美術館で、他の美術館よりずっと薄暗い展示室の中で蒔絵を見たことがあります。蒔絵は薄暗い中でもキラキラしていてとてもきれい。それまでに見た明るいところで展示していた姿は本来の姿ではないんだ、と気づきました。
外国人で、絵画に全然興味が無く知識も持っていなかったプライスさんが、自然光で見る日本画に気づいたのは、素晴らしいと思います。そして、日本での展覧会でもその意志を貫いているところがまたすごい。一般のコレクターなら作品保護を重視して、このようなむき出し展示はまずしないでしょうね。
プライスさんの作品へのコメントいっぱいのブログもあります。こちらでも熱く語っております。
講演が終わって質疑応答では、いかんねえ、当てられた二人とも質問ではなく、長々と感想を述べるタイプの人だったよ。ここでは聞けなかったプライスさんの姿を知るような質問しようよ。
さあ、終わりかー、と思ったら、なんとこの後「図録持参の方にはプライスさんのサインをします」との告知。おお。お昼を食べに行くときに「図録を先に買うんじゃなかった・・・」と思ったけど、先に買っておいて良かった♪ 即、サイン会場に並びに行きました。プライスさんが肩に掛けていたショルダーバックは若冲の「鳥獣花木図屏風」の一部分をプリントしたものでした。特注かなあ。終わって出るとものすごい長蛇の列でした。
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コメント
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ブログにコメントいただき、ありがとうございました。
わたしは次の28日の講演会に行く予定です。
こちらの方は、通訳での話ならいいかあ、と思ってしまって・・・
でもとてもよいコレクションだったので、せっかくのコレクターご本人の話を伺える機会を逃してしまい、ちょっと残念に思っているところです。
投稿: ほんのわ | 2007年4月23日 (月) 07時37分
生プライスさん、よかったですよ。28日の講演会も気になりましたが、お財布さんに断られてしまいました。
相国寺の若冲展もかなり貴重な機会ですので、ぜひ足を運んでみてくださいませ。
投稿: ティー太 | 2007年4月30日 (月) 20時39分
こんにちは!
恋のぼりの季節なので、遊びに来たのですが、読んでいたら、なんだか生を見に行きたくなりました。6月10日までか。
実家に帰りながら、行けるかな~。
投稿: ゆう | 2007年5月 2日 (水) 17時00分
28日の講演会よかったですよ。
また講師の山下先生が近々プライス氏の伝記を出版されるそうです。
講演の内容やわたしが気に入った作品について(なにしろ数が多くて)続けて記事にしていますので、よろしければ遊びに来てくださいね。
投稿: ほんのわ | 2007年5月 2日 (水) 20時02分
ゆうさん、ぜひこの展覧会は見に行ってください! 若冲など江戸絵画の作品のすばらしさもそうですが、何と言っても展示の仕方が画期的なのです。ガラスを通さず日本画を見られる機会は本当に限られています。
ほんのわさんのブログ、読みにいきますよ。確かに逸品揃いの作品展、熱く語りたくなりますよね。もうじき、京都では「動植綵絵」が集まる若冲展が開催。見に行く予定です。
投稿: ティー太 | 2007年5月 4日 (金) 13時45分