現代と茶の湯の仲立ち「茶 利休と今をつなぐ」
本屋をぷら見しているときに出会いました。
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茶―利休と今をつなぐ (新潮新書)
著者:千 宗屋 |
茶の湯に関わる本は、どうも通り一遍な感じか、家元のつぶやきのような内容だったりで、あまり期待はしていなかったのですが、著者を見てもしや?と思いました。
以前、グッときた「いつかは参拝したい日本を代表する仏像32」カードの付録がある『BRUTUS』2009年4月1日号で、仏像特集を監修した千宗屋さんですよ。わかりやすくて、楽しい誌面だったなあ。このお茶の本もきっとおもしろいはず。
パリでの禅宗美術の展覧会での講演で、千宗屋さんの考えをまとめた本が読みたい、と言われたり、茶の湯の初心者が持つ疑問に答えてくれる本が無いことから、茶の湯の全体像をつかむための本当の意味での入門書が必要と考えていたそうです。
それぞれの時代の人々がどのように茶に関わってきたか、茶道はどのように変遷していったかなど、今まで点でしかなかった情報がつながる感じで、おもしろいです。茶道と聞くと、儀式や作法といった堅苦しい印象が強いでしょうが、やはりどの時代でもコミュニケーションツールなんだなあ、と思いました。
私が初めて茶室でお茶を味わったとき。工芸品の逸品が揃った道具類、飾られた花、書、点てる人の着物、整えられた庭、そのような物を眺めていて、茶道は総合芸術だと感じていました。千利休が、今までずっと人気だった唐物茶碗ではなく、自国で茶碗作りをプロデュースしたり、大胆なしつらえをしたりするのなんて、まさにパフォーミングアート。
本を買ってから気付いたのですが、茶事がイラストで紹介されています。そのイラストは、週刊朝日の「逆転満塁サラリーマン」のイラストを手がけるShu-Thang Grafixの浦野周平さん。プッと笑える感じがいいですよ。
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