第1回 「座・茶論(ザ・サロン)」のお知らせ
6年間、毎月末の土曜日に修学院で開催してきた「背振山茶談議」を、今回から新たに「「座・茶論(ザ・サロン)」として佐賀大学同窓会館で、開催することにしました。
第1回 「座・茶論(ザ・サロン)」
日時 平成26年4月26日(土) 午後2時~
場所 佐賀大学同窓会館
佐賀大学本庄キャンパス
話題提供 村岡 実:茶に係わる歴史的出来事あれこれ
参加費 諸経費として 300円
茶に関する最も古い資料は紀元前59年、中国四川省で書き記された「僮約(どうやく)」とされています。また茶の原産地は雲南省南部(シーサンパンナ)を中心とする地域(東亜三角弧)とされ、この辺りの山地に暮らす少数民族ではそのかなり前から食材として、また煎じ薬として茶を利用していたも云われています。
アフリカ北部のエチオピア辺りを起源とするコーヒーと共に、茶は世界各地で日々の飲料として定着しています。この中には、自然環境の制約で自国では生産ができない国々も多く、特に欧米でこれらの飲料が紹介されるにともない主要貿易品目となり、特に茶を巡ってはボストン茶会事件(1773年)、アヘン戦争(1840年)などはその典型的出来事であるとされています。
今回は中国唐の時代の陸羽(茶経)、廬仝(茶歌)、アッサム地方でのアッサム種の発見と商業的紅茶産業の始まり、日本では遣唐使に由来する平安初期の喫茶文化の高揚、栄西の喫茶養生記(1211年)、室町幕府の唐風書院飾りでの茶会、村田珠光から武野紹鴎を経て千利休に連なる「わび・さび」の抹茶道(茶の湯)、中国黄檗宗(禅宗)高僧・隠元の来日(1654年)による黄檗文化と煎茶道、その流れを汲む高遊外(僧名、月海元昭)売茶翁、宮崎安貞の「農業全書」、三宅也来の「万金産業袋」や永谷宗円の「焙炉製煎茶」、幕末開港(1859年)直前の大浦慶(民間人)による茶の海外輸出(1957年)、そして新制日本の明治期の海外輸出が契機となった国内各地での茶産業(茶業)の始まり、紅茶の顛末、更に最近の茶系飲料による喫茶スタイルの大転換、これらの各時代の茶に関する「イベント」を取り上げます。
また、今回からの「座・茶論(ザ・サロン)」はこれまでの「茶談議(通算33回、茶業試験場)」、「背振山茶談議(通算72回、修学院)」を引き継ぐもので、「地域の茶の間」の意義についても話題とします。
これまでの通算105回の茶談議の基軸は「打算せず 来る人拒まず 去る人追わず」でした。これは江戸時代中期に売茶翁として愛称され、売茶で生計を賄った極貧ではあったが崇高な哲理で自らの人生を貫き、伊藤若冲など多くの文人らに尊敬された高遊外(僧名、月海元昭)売茶翁によるものです。
新たな「座・茶論(ザ・サロン)」の門出においても、これを原点として末永く続けていく所存です。
お待ちしています。
« ビッグイシュー233号は、佐賀特集だったりする | トップページ | ミラノ・サローネに有田焼出展 »
偶然たどり着きました。面白そうですね。ときどき覗かせていただきます。佐賀茶学会のこと、もっと知りたいですね。よろしくお願いします。
投稿: shigeji | 2014年9月12日 (金) 22時05分
shigejiさん、こんにちは。
佐賀茶学会のサイトは以下リンク先にあります。
http://www.sagantea.com/home
元佐賀茶業試験場の場長の村岡さんが、試験場にいらっしゃるときから茶談議というお茶の講演と茶話の間のような会をひらいていまして、その流れと、佐賀でお茶の学会をしたいとの思いが融合した形の学会です。
今のところ活動は地味な感じですが、「座・茶論(ザ・サロン)」という会を毎月開いています。shigejiさんもぜひこちらの会に登場してください。
ちなみに2014年度の研究会発表は11/15開催です。演題募集中、10/24締め切り。
投稿: ティー太 | 2014年9月15日 (月) 23時30分